6月末頃に断捨離を始め、押し入れの中のモノをガンガン処分していったのが7月。
押入れの中がスッキリしていくと五月人形があったが、それだけは気持ち的にむやみに燃やせるゴミや粗大ごみとして捨てられなかった。
ネットで調べると、うちの近場では地域密着の人形店があり、9月から10月初め頃まで人形などの引き取りをしているらしく、2ヶ月先にはなってしまうがちゃんと処分した方がいいと思い、残していた。
そして2ヶ月経って9月に入ったので、当初予定していた通り人形店に五月人形を持って行った。
家を出る前に、記念ではないがいくつかの角度から写真におさめてから、その五月人形に手を合わせて「今まで家や自分を守って下さり、ありがとうございました」と念じた。
お店の店員さんに対して、「家の掃除をしたら五月人形が出てきたので処分したい」という事情を説明すると快諾して下さり、お焚き上げの申込用紙に必要事項を記入してほしいとの事。
自分の名前と住所を申込用紙に書いていると、紙の下の方に「人形供養を行った後の連絡は必要か?」みたいな項目があり、それを店員さんに聞いてみると、10月にお寺で人形供養、お焚き上げがなされた後、申し込んだ人たちの中で希望者には「ちゃんと供養が終わりました」というはがきが届くという。
俺は、「はがきが届いてもチラ見して捨てる事になるな」と思ったので、連絡不要とした。
わざわざはがきに書いて送って下さるのも手間だろうし、届いて確認してもすぐはがきを捨てるなら、最初から貰わない方が良いと思った。
ちゃんと供養してお焚き上げをして頂けたなら、それでいいと。
そして五月人形を店員さんに渡して店を出た。
処分に困るものではあったが、滞りなく引き取ってもらえ、ちゃんと供養もしてもらえる事になって有り難いし助かった。
ちなみに、五月人形の処分方法を色々調べていた時、割と定番となっていたのが「お寺でのお焚き上げ」だった。
どこのお寺でも行っているわけじゃなく、俺の近所では車で30分くらいする場所にそういうお寺があった。
余談だが、五月人形が出てきた時に俺は驚いた。
元々子供時代の自分の家は裕福ではなく、お金が払えなくて家の電気が止められたり、食事の無い日も普通にあった。
そんな家なのに、まさかこんなしっかりしたモノがあったとは・・・、と驚いたのだ。
自分は片親育ちだが、たぶん片親になる前、家が貧しくなる前に買ったモノだと思われる。
うちの家は、そういう行事物というか風物詩のようなものを飾ったり、買ったりするような事はない家だと思っていたので、こんな立派なものがあったのかという驚きと、ちゃんとこういうのしてくれていたんだな、という温かい気持ちになった。
親が亡くなり、遺品整理からの断捨離をする機会がなければ、こういう想いになる事もなかっただろう。
しかし、今はこの人形をずっと家に置いておこうとは思わない。
経年劣化がある事と、自分の身内で欲しがる人もおらず、もうずっと前に役目を終えられているのだなと思い、ちゃんとお焚き上げ供養してもらおうと感謝しながら手放す事にした次第だ。